雨の合間の「赤蟻通り」

 今頃エンジニア氏は七転八倒トラックダウンに悶えているんじゃないかと思うわけですが、僕はひたすら待つ身。時間が空いたのですが、ちょうどよくこっちでこんな曲あっちであんな曲が求められている的情報をゲットしまして、それじゃあなんとか捻ってみますかと、この一両日、僕も悶えてみました。締め切りは来週なので、引き続き悶えます。悶えながら、時々入る近所の珈琲屋で、ふと目にした「熊谷守一画文集」に見つけた「自分は自分」という言葉。それに引っ張られて雨の合間に、自転車で行ってきました。熊谷守一美術館。「赤蟻通り」ってとこにあるんです。熊谷さんにちなんでついた道の名前かなぁ。長年住んでる自分ちの地元なのにこんな通りがあるって知りませんでした。

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熊谷守一美術館のパンフレット たまたま今月いっぱい特別展覧会で、守一作品たくさん展示してた。

 「自分は自分」

 ご家庭の諸事情などいろいろが、熊谷さんをその境地に至らしめたのは、だいぶちいちゃいころだったそうです。で、学生時代から画家を志したけど地元の名士でもあるお父さんに反対され「慶応義塾に一学期だけでも行ったらあとは好きにしてもいい」といわれて、言われた通り一学期だけ慶應に入ってあとは芸大。あら、なんかいろんな意味でちょっと先輩。

 線と面のこの画風、確立したのは70代だそうで。ざっくり言うと僕が生まれる10年ほど前。アテクシもまだまだこれからですよ。元気な先輩一杯いるし。

 こないだから読んでる途中の「お母ちゃん革命」は、子供たちや親たちに、『いつも自分を生きて欲しい!』という思いで「森のようちえん」を運営してきた園長浅井智子さんの、熱い思いがいっぱい詰まった本だったんだけど、「自分」とか「自由」とか、このところ行きアタりばったりに歩いてて、目に止まる。

 だいたい、音楽の道に進もうかどうしようか、高校生ぐらいの頃悩んでたけど、「まあこういう奴が世の中に一人いたっていいじゃないの」というのが、僕の出した答えだったわけだけど、それでよかったのかなぁ?もし、今、高校生に戻っても、同じ道をきてしまうような気もしますが。

 お前は、それでいいんである。なかなか誰もそうは言ってくれないのである。だから『OK!』と言ってもらうために、いろいろやってみるのであるが、人生の焦点は合わない。いただいたOKが、自分じゃハテナだったり。

 35周年アルバムが還暦アルバムになっちゃいそうですが、まだまだ探し物は増える一方です。悶々な日々はまだ続くのよ。

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獨樂

  93歳まで生きてひたすらひとりたのしんでいたこの人。なぜか突然話しかけてきたなぁ。あんたそれでいい、と言われているなら嬉しいけど。

 またあの珈琲屋へ行こう。